2020/10/16 11:35

許容範囲

一昔前まで生産処理といえばナチュラル、ウォッシュト、ハニー(パルプトナチュラル)ぐらいのものだったが、近年アナエロビックをはじめ様々な生産処理に注目が集まるようになってきた。

 中には発酵の過程で柑橘の果汁や乳酸菌飲料を加えるようなものもあり、どこまでがコーヒーとして許容できるか、という話にあることがあるが、私としてはコーヒーチェリーが適正に育てられた品質の高いものもので、おいしければ何でもオーケー。反対に今後、質の低い豆を生産処理でユニークなフレーバーをつけてごまかすようなものが出てくるとしたらそれは買わない。

 今日のコーヒーはメキシコ、イクスウアトランの三人の生産者によるウイスキー樽を用いたフリーウォッシュト。

 ブルボン、ティピカの品質の良さがきれいに現れたフリーウォッシュトで、ストロベリーキャンディのような甘さがシロップの質感を伴って長い余韻に浸れる。そこに後からウイスキーのニュアンスが追いかけてきて、お酒を飲んでいるように錯覚する不思議な魅力を持つコーヒーだった。

 許容範囲は広がる一方である。